【良作】テイルズオブベルセリア

レビュー

【序文】

本作は株式会社バンダイナムコより2016年に発売されたテイルズオブシリーズだ。

少し時間がたっているゲームだが、アクション要素の強い戦闘は最新のゲームにも引けを取らない爽快感があり、まだまだ楽しめる作品となっている。

ストーリーは主人公が義兄への復讐が軸になっており、従来のテイルズにはあまりないダークな展開がみられた。久しぶりにテイルズシリーズをプレイする人でも新鮮さを感じながらプレイできると思える。

以下、ネタバレを含むため、お気を付けください。

【戦闘概要】

エンカウントはシンボルエンカウント方式が採用されている。敵に接触すると画面が切り替わり、戦闘専用フィールドにてバトルが始まる。過去シリーズでいうとテイルズオブアビスやテイルズオブグレイセスを想像するとわかりやすい。

戦闘は専用フィールド内で自由にキャラを動かし、攻撃を加えて敵を倒していく。

攻撃方法は、○×△□の各ボタンに4つずつ、最大で16種+αの特技をカスタマイズし戦う。

攻撃をするにはソウルというものを使う必要があり、攻撃をするたびにソウルが1つ減っていく。戦闘開始時はソウルを3つしか所持していないが、敵をスタンさせたり状態異常を与えたりすることで、最大所持ソウルが増え攻撃回数を増やしていくことができる。

また、R2ボタンにはブレイクソウルという各キャラクター専用の協力な技が設定されている。大きなダメージを与えられたり、ダメージを半減させたりなど戦局を変える効果があるが、使用するとソウルの最大所持数が減ってしまうため、タイミングを考えながら繰り出す必要がある。

【中毒性のある戦闘】

特技ごとに状態異常や種族特攻が設定されており、序盤に覚えた技でも強みを生かして使い続けることができ、高レベルで覚えた特技ばかりを使うハメにはならない。隙の少ない初期技で連携をつなぎ、後半に習得した大技でダメージを増やしていく・・・のようにおしゃれに攻撃ができるカスタマイズが楽しい。

さらにソウルの最大所持数が増え、攻撃回数増えていくと、仲間との連携が続くようになりダメージ倍率が上昇していく。倍率は2倍を超えていくため、連携を意識することで効率よくダメージを与えていくことができる。

ちなみに個人的に気に入った点は、スタン等が発生した際に「キャラーン」と鈴のように鳴る効果音だ。連携が続くとスタンが頻発し、敵からの反撃を許さず、HPをごりごりと削っていき、鳴りやまない効果音。まさにフィーバータイムといった具合で本当に戦闘が楽しかった。

【寄り道要素・ボリューム・やりこみなど】

ストーリークリアまでの寄り道要素は控えめと言える。サブクエストのようなものはなく、道中のフィールドにいる強化モンスターを倒す程度。ただし、倒すと装備強化の幅が広がるアイテムを入手できるので、戦闘は必須かもしれない。

収集要素としては武具やアクセサリーの種類が多く、敵からのドロップでしか入手できないようなものがあるため、集めることが好きな人にははまるかもしれない。

ストーリークリアまでの時間は40~50時間程度かかる。

育成要素はレベル上げが主であり、ステ振りはない。アイテムによってステータスの底上げはできるが、入手数はそこまで多くない。ドラクエの種と同じくらいの感覚といえる。

【シリーズ屈指の良質なストーリー】

「復讐の物語」

「信頼されていた人に裏切られ、愛する肉親を奪われただけでなく、謎の力に飲み込まれた主人公ベルベットの左手は、魔物を食らう力を持つ魔の手へと変貌を遂げていた・・・」

ベルベットは信頼していた人物に裏切られ、愛する弟の命が奪われてしまう。

強い憎しみの感情が生まれ、復讐を果たすべく旅に出ていく。

物語の軸が復讐ということもあり、ベルベットは正義感にあふれた人物ではない。

復讐のためなら手段を選ばない、残酷なことでもなんでもやると、RPGにありがちな善意に満ちたキャラではない点に新鮮さを感じた。

ただ道中は暗い話ばかりではなく、テイルズシリーズらしいキャラ同士の和気あいあいとした掛け合いが健在だった。テイルズシリーズのアニメチックな雰囲気と復讐というテーマは一見ミスマッチにも思えたが、緩急がありいいバランスで楽しむことができた。

チャット(ストーリー以外のキャラ同士の会話)を見ることで、個性的なキャラクターたちを深堀りしてより好きになっていった。

「姉弟の愛の物語」

ラストはハッピーエンドではなく、寂しくなる終わり方だった。

ベルベットは弟を助けるべく共に封印されてしまい、このまま開放されるわけでもなくずっとこのままかと思うと、なんともやるせない気持ちになった。

ただ、当初は憎しみの心でいっぱいであったベルベットが、最後は、愛する弟に寄り添い続けることができた。優しい表情を浮かべられるようになった彼女は、自分の「生き方」を見つけられ、満足しているだろうなとも思えた。

またエンドロールの映像がとてもいい。封印されている姉弟と復讐もなにない世界で生きている姉弟が交互に流れるのだが、後者はもう絶対に実現ができない。こんな世界線があったらよかったのになぁと思わせ、心に残る物語だったなとしみじみ思わせてくれた。

【不満点】

  • ファストトラベルが用意されているが、ポイントが限定的で使いづらい。
  • ファストトラベルを使うにはアイテムが必要であり、序盤は購入できなくため歩きでの移動を余儀なくされる。
  • 移動速度があがる乗り物が解放されるのは物語中盤になってから、使うにはポイントに触れないと乗ることができずポイントはフィールドごとに設定されているため、乗り物を入試してからでも結局歩かないといけない場面が多い。
  • 解放しても乗り物の操作に癖があり操作しづらい。ステージによっては歩きの方がいいくらい。
  • オートセーブ機能がない。一応どこでもセーブができるが手動でやらないといけないので、少し面倒に感じる人がいるかもしれない。
  • キャラクターのノリが良くも悪くもアニメチック。苦手な人は苦手。
  • より道要素は控えめ、よく言えばシンプル。それでもボリュームはある。
  • 武具を鉱石等で強化することができるが、武具ごとに設定されたスキルを習得する必要があるため、せっかく強化したのにすぐ他の装備へ変更しないといけないことがほとんどだった。

【感想】

とにかく戦闘が楽しいの一言でした。

ストーリーには特に期待していなかったところ、思いもよらない良質なお話でプレイしてよかった。

2024年1月現在、1,500円もしないで購入できるタイトルです。まちがいなくコスパ良しなゲームといえるでしょう。

久しぶりにテイルズでもやってみるかぁって人はぜひプレイしてみてください。

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